kamadango blog

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意味のないこと

幼稚園の頃、ばーば(おばあちゃん)の家で、迷路を書いてたんですよ。 おばあちゃんは裁縫が得意だったので、内職で服の仕立てをしてて、 同じ部屋で、俺は迷路を書いてたんです。

迷路もお裁縫も手作業なので、 AMのラジオから歌謡曲が流れてるのを聴きながら、 黙々と2人とも作業してるの。 俺は、迷路書いてるだけなんだけどね。

うちは両親が共働きだったから、おばあちゃん子でさ。 小さい頃はおばあちゃんの家にいることも多かったんだよね。 やることないから、俺はお絵かき帳に迷路書いてたんだよね。

仕立てのキリのいいところで、ばーばはおやつを作ってくれるんだ。 おやつは甘いお菓子とかではなくて、 トウモロコシを茹でてくれたのとか、さつまいもを蒸したのとか。

トウモロコシ美味しくてね。 ばーばと一緒に食べてたのよ。 そしたらばーばがむせたのよ。ごほごほって。

「ばーば大丈夫?」って言ったら 「大丈夫」って言ったの。ああよかったって。 それで、最後もう一度むせたときにさ。 ばーばの鼻から枝豆出てきたのよ。

俺びっくりしてさ、トウモロコシ食べてたのに。 枝豆がでてきたからさ。

いつも一人で迷路書いてるから、どんどん迷路が大作になってくるんだよね。 ある日、次のページにも迷路繋げるって手法を開発してからさ、 迷路1ページとかじゃなくなるの。 5ページとかの迷路になるの。

それ何時間もかけて書くんだよね。 隣にばーばがいて、ラジオが流れてて。 迷路が自分なりに納得いくとさ、ゴールに丸を書くのよ。 完成させるんだよね。

それで何するかっていうと、 自分で迷路解くの。 迷路何時間もかけて書いてさ、 自分で解くんだよね。

でさ、解けなかったりすんの。 途中で道が行けなかったり、 どこ通ってるかわかんなくなっちゃったりしてさ。

そうするとさ、解いてる途中で飽きちゃうの。 それでさ、その迷路ほっといて、 また新しい迷路を書き始めるんだよね。 ばーばの横で。ラジオ聴きながら。

これさ、すげー意味ないことだと思うんだよね。 思い出したら、それはそれは意味がない。 意味のないことが残っているんだよね。ずっと。